損をしたくない気持ちが損をする

人は得をしたいという気持ちよりも、損をしたくない気持ちが大きいといわれています。

それを損失回避の法則といいます。

その証明を後押ししたのが、2002年ノーベル経済学賞したダニエル・カーネマンが行ったあらゆる実験です。

損をしたくない心理は得をしたい心理よりも2倍強くなります。

損失回避の行動

たとえば、買い物途中でふと財布を見ると、近くの家電量販店の500円貯まったポイントカードの有効期限が今日までだと気づいた。

特に買いたいものはなけど、立ち寄ってその500円のポイントを使うために、1000円のミニドライヤー買ったとか。

ネットショッピングで4800円の商品を買って、よく見ると5000円で送料無料になる。

あと200円以上の物を買えば送料無料になるので、適当に1000円のお菓子を買った。

どちらも損失回避の行動になります。

もちろん、それによって必要なものを購入できたのであれば全く問題ないですが、あとから考えてみると必要なものではなかったとか、送料払った方が安かったという時もありますよね。

損失回避からのミス

ミスったなぁという行動をするときは、「思考する余裕がない。冷静に判断できない状況」の時なんですよね。

たとえば、期限が迫っているとか、時間がない時。

この余裕のない時の思考で、去年わたしは20万円が吹っ飛びました。これまた話がそれるので別の機会でお話しますね。

これを買うと得をするというよりも、これ買わないと損をするという心理が強く働きます。

これはマーケティングでもよく使われている手法ですので、何か物を売ってる方はこのあたりを意識すると良いかもしません。

購入する側としては日常の買い物などで、その辺を注意しておくとミスったというのが減らせるかもしれません。

損をしたくないために、チャンスを逃すこともある

自然なことですが、誰でも後悔したくないと思いますよね。

損をしない選択を取ろうとする。そうすると逆にチャンスを逃すことがある。

子育てに置き換えて考えてみると、子どもに損をさせたくないように手を出したり、アドバイスすることがあります。

でも体験して失敗するという機会を失う。これ成長という大きなチャンスを逃していることもあります。

損をすることが怖いという選択から、返って損をする。

長い目で見た時にリスクになることもあり得ますよね。

日本人は損失回避欲求が強い

なぜ、日本人が損失回避の欲求が強いのかを考えると、次のような国民性を持っていることが起因しているんじゃないか?と言われています。

・内向的(人によりますが、海外の人と比べると内向的な傾向があります)
・恥の文化(こんなことしたら恥ずかしい。他人の目を気にします。)
・同調圧力(人数の多い方が正しくなる。多数の意見にあわせようとする)
・平均思考(普通はこうだ。みんなこうしている)

これは、日本人が元々もっている本質だけではなく、特性を利用した教育でこのようになったのだともいわれています。

他の国を見て、「あんな国に住んでいる人、洗脳されてかわいそうだ」と思うかもしれませんが、実は灯台下暗しの場合もある。

とはいえ、日本も最近の若い世代はじめ随分変化してきていると思います。

日本人が持っている4つの特性を自覚して客観的に分析できる人も増えてきてるんじゃないかな?とも思います。

さいごに

ある人にとっては事業を起こすことは、大きなリスクだと思うかもしれません。

しかし、ある人にとっては今の社会でサラリーマンを継続することの方がリスクだと考えるかもしれない。

常に様々なことに疑問を持つことで、思考が広がり視野も広がり、繰り返すことで視点も変わります。

見る世界が広がるということは、生活を豊かにする1つでもあると思うのです。

「人の50%は習慣でできている」でお伝えした習慣化や継続などに、損失回避を上手く取り入れることで大きなエネルギーに変えることができたらと思っています。